中学生とのコミュニケーションが難しい…そんな時の考え方と接し方

小学生の頃はあれほど楽しそうに学校の出来事を話してくれていたのに、中学生になった途端、急に口数が減ったり、「別に」「普通」ばかりの返事になったり…。これは、多くの親御さんが感じるギャップです。

実はこの変化の背景には、中学生特有の「自己理解の発達」が関係しています。中学生は、周囲との違いや自分自身の内面に意識を向ける時期に入ります。

・「親に話しても理解されないのでは？」
・「親に話すのが恥ずかしい」
・「自分の気持ちをどう言葉にしていいのか分からない」

こんな思いがあるため、どうしても言葉数が減ってしまうのです。

子どもが親に話さなくなると、「信頼されていないのかも」と不安になるかもしれません。しかし、それは違います。むしろ、中学生は「親がいてくれる」という安心感があるからこそ、無理に会話をしようとしないことが多いのです。

私自身も、中学生の頃は親にあまり話すことはありませんでした。野球部での悩みや友達関係の葛藤があったにもかかわらず、「話しても解決するわけじゃないし」と思っていました。でも今振り返ると、あの時親がそばで見守ってくれていたことが、心の支えになっていたと感じます。

それでは、どのように接すればよいのでしょうか？

「学校どうだった？」と聞いても「普通」としか返ってこない。そんな時に、さらに「本当に？ 何かあったんじゃない？」と詰め寄ると、ますます話したくなくなります。

大事なのは「聞く」よりも「待つ」こと。親がリラックスしていると、ふとしたタイミングで子どもが話しかけてくれることがあります。

子どもが好きなことを話題にすると、会話が弾みやすくなります。例えば、「最近どんな音楽聴いてるの？」「このゲームって面白い？」など、子どもが好きなことを話すきっかけを作るのも良い方法です。

話をしないからといって、子どもを放っておくのではなく、「あなたを見守っているよ」というメッセージを伝えることが重要です。「何かあったらいつでも話してね」と、安心できる環境を作ってあげることで、子どもは「いざという時に親に相談できる」と思えるようになります。

中学生とのコミュニケーションが難しくなるのは、決して親のせいではありません。それは、子どもが自立しようとしている証でもあります。

私自身、大学生の時にコーチングを学び、「自己理解」の大切さを実感しました。「自分は何を感じているのか」「どんな価値観を持っているのか」を知ることができると、他者との関係もスムーズになります。

中学生の子どもたちにとっても、「自分は何を考えているのか」を言葉にするのは簡単ではありません。でも、親が焦らず見守ることで、少しずつ自分の気持ちを整理できるようになります。

コミュニケーションが減っても、大丈夫。子どもが「親に話したい」と思うタイミングは必ずやってきます。その時のために、安心できる関係を築いておきましょう。

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